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2024年05月05日
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噛み合わない欠片

2012年08月16日
※もしかしたらBLっぽい?



「結局君は、本物にはなれないんだよ」

当然の言葉だった。
結局は、自分は偽物。どう足掻いても、本物になれないことなどわかっているのだ。
わかっている、のに

「どんなに君が本物になることを望んでいても、本物になることは不可能だ。君は、僕にはなれない」
「わかっている」
「なら、どうしてこんなことをしたんだい?」

彼は、笑う。
目の前にいる自分の「偽物」を嘲笑うように、口から声を漏らした。

「君は愚かだ。わかっていても、こんな下らないことをするのだから」

どんなに姿を似せても
どんなに言葉を似せても
どんなに動作を似せても
結局彼にはなれないのだ。

「そんな君が、僕は嫌いじゃないよ……愛しさすら感じてしまうね」

くくっ、と喉を鳴らしながら彼は笑う。その笑いに、腹の奥底から不快感が湧き出る。

「君は、それほどまでに彼女が愛しいんだね。僕から、奪いたいほどに」
「……違う」

否定する言葉はあまりに弱く、力を持っていない。それでも、否定がしたかった。

「俺が欲しかったのは」
「否定するのかい? 僕から奪ったくせに」

否定を許さない、彼の声。当たり前の言葉に、体が、心が、震えた。

「まあ、いいよ。いずれ、僕が取り戻すのだからね」

そう言って彼は近づいてくる。頬に触れる手は異様に冷たく感じられた。それとも、自分の頬が異様に暑いのだろうか。鼓動が速く鳴り響く。

「君から、全てを」

声は冷たく、体の奥にまで届く。手が離れるまでの間、呼吸が出来なかったように思えた。

「君は僕の欠片などではない。君と僕は、全く別のものだからね。どんなに、似せようとしても」

それだけ言い残して、彼は闇の中に消えた。
彼の言うことは、正しい。いくら自分が本物になることを求めても、望んでも、本物になることは不可能なのだ。

「それでも……」

「それでも俺は……!」






誰と誰かは言わなくてもわかるだろう…?
私の全力のjlniはここまでだ…orz
ってかjlniですらない…だと…?!
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幽霊的視点

2012年07月28日

[すげー素朴な疑問なんだけどさ、何で自分で扉閉めた後にまた扉バンバン!! ってするわけ? あれ、何? 自分で占めたの忘れちゃった☆的な感じなわけ?]
「……演出だろ」
[っつーかさ、まあ夜に出るっていう展開はわかるわ。そっちのほうがビビらせやすいし。でもさ、何で子供の前でばっかり出るわけ?]
「いや、俺は知らないけど……。むしろお前ならどうするんだよ」
[そりゃー、狙うは一家の大黒柱だろう! そいつ押さえとけばいつでも追い出せるじゃん]
「あー、なるほど」
[大体子供の前ばっかりで出たってさ、子供が言うことなんて親が信じるかあ? それに、追い出したいなら大人の前でしないと効果ないだろ]
「……もしかして、それってお前の経験談か?」
[え? あ、うん。そうだけど]
「ってことは……」
[ああ、安心しろって。あいつ来てからはしてない]
「……その前まではしてたのか」

[なあなあ、何でこういうやつの幽霊ってすぐ引っ張るとかするわけ? オレなら絶対もっとビビらせられるんだけど]
「……はあ」
[たとえばさー、ほら、こういうシーツとか被ってさ、後ろに立つのよ。で、相手は子供がしてるって思って引っ張るけど誰もいないー!! とか、怖くない?]
「……はあ」
(こいつとホラー見ると面倒だな……)


いや、そもそもなんで一緒にホラー見てるんだってツッコミが

記憶という鎖

2012年05月25日
幸せだった

初めて手に入れた幸せだった

ただ自分の体を抱き寄せてくれる
暖かな人の手があることが
幸せだった

なのに
何故全て消えてしまったのだろう
ただそばにいること
それだけが幸せだったというのに

「どうして……」

涙を零す彼女に対して
自分は何ができると言うだろう
震えている彼女に対して
自分は何ができると言うだろう

「お兄ちゃん」

この手で

「お兄ちゃん」

彼女を包んで

「お兄ちゃん」

彼女を守れるのなら

「――忘れるんだ」

全てを偽っても、
全てを裏切っても、

何でも、いいんだ。


鬱展開の話

2011年08月20日

見間違えるはずもなかった。
その人は間違いなく、俺が憧れていたあの人だった。

「これが、貴方の望みでしょう? 彼を、元に戻してほしい、という、貴方の」

くすり、と笑う禁忌の魔女。この女が、こんなことに
――違う
この事態を引き起こしたのは

「俺、が」

口に出して、一気に体中の熱が引いた。
違う、俺が望んだものは、こんなものじゃ、

「さあ、最悪の魔導士。貴方の望むままに、全てを壊しなさい!」

大げさに手を挙げて禁忌の魔女は叫ぶ。
そして、魔女の後ろに立つ男はゆっくりと前に手を伸ばした。瞬間、見慣れたあの黒いロッドが現れた。

「全てを、壊す」

久しぶりに聞いた低いその声は、ずっと聞きたいと思っていたその声は、悪意と憎しみに包まれた禍々しい声になっていた。

「どう……して」

砕けた封印石を踏み、彼は一歩ずつ歩み出す。ぱりぱりと、重い空気には不釣り合いな、軽く乾いた音が、近づく。
目覚めたばかりの虚ろな目は、何も映さない。
持っていたロッドはいつの間にか形を変え、鎌となっていた。

「どうしてですか!」

叫ぶ自分の声が、震えていた。
ずっと会いたかったあの人は、
一番会いたくなかった姿で俺の前に現れた。

俺の、望みのせいで









鬱展開☆
禁忌の魔女と書いてネクロマンサーと読む、とか。
きっと本編では書けない話です。本編進めろよ私!(笑)

魔術論(風吹く)

2011年05月15日
『火』系魔術
→ファイ~・フレイム~で始まる呪文
「赤き門よ、火(炎)の契約の元、我に力を与えよ」
「赤の契約の元、発動せよ」
名の通り、火の力を使う。単体で強力な攻撃力を持つ。効果範囲は広くない。
効果魔術:光→地→風→闇→水
主流魔術:『ファイディ・リング』『フレイム・アロー』

『水』系魔術
→ウォーー~・アクア~で始まる呪文
「青き門よ、水の契約の元、我に力を与えよ」
「青の契約の元、発動せよ」
名の通り、水の力を使う。治癒魔術・触媒魔術もある。効果範囲が広い。
効果魔術:光→闇→風→地→火
主流魔術:『ウォーティア・ウォール』『アクア・カッター』

『風』系魔術
→ウィン~・ストー~で始まる呪文
「緑の門よ、風の契約の元、我に力を与えよ」
「緑の契約の元、発動せよ」
名の通り、風の力を使う。他の魔術の効果を上げる触媒魔術が多い。
効果魔術:どれにも同様に効果
主流魔術:『ウィンド・カッター』『ストーラム・ブレイク』

『地』系魔術
→グラン~・アース~で始まる呪文
「黄の門よ、地の契約の元、我に力を与えよ」
「黄の契約の元、発動せよ」
名の通り、地の力を使う。単体で強力な魔術・広範囲魔術が多い。
効果魔術:火→闇→風→水→光
主流魔術:『グランディア・ブレイク』『アース・ウォール』

『光』系魔術
→ライ~・シャイン~で始まる呪文
「白き門よ、光の契約の元、我に力を与えよ」
「白の契約の元、発動せよ」
名の通り、光の力を使う。治癒魔術もある。使いやすい魔術。
効果魔術:闇→火→水→風→地
主流魔術:『ライディ・ライト』『シャイン・クロウズ』

『闇』系魔術
→ダーク~・ブラ~で始まる呪文
「黒き門よ、闇の契約の元、我に力を与えよ」
「黒の契約の元、発動せよ」
名の通り、闇の力を使う。洗脳魔術もある。使いこなしにくい魔術。
効果魔術:光→地→水→風→火
主流魔術:『ダークネス・ブレイク』『ブラグラス・ロスト』

※例外魔術
『シールド』→他の魔術と組み合わせたらさらに効果アップ
『リバース』→反転魔術。相手の魔術を反転させる


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