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2024年05月18日
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噛み合わない欠片

2012年08月16日
※もしかしたらBLっぽい?



「結局君は、本物にはなれないんだよ」

当然の言葉だった。
結局は、自分は偽物。どう足掻いても、本物になれないことなどわかっているのだ。
わかっている、のに

「どんなに君が本物になることを望んでいても、本物になることは不可能だ。君は、僕にはなれない」
「わかっている」
「なら、どうしてこんなことをしたんだい?」

彼は、笑う。
目の前にいる自分の「偽物」を嘲笑うように、口から声を漏らした。

「君は愚かだ。わかっていても、こんな下らないことをするのだから」

どんなに姿を似せても
どんなに言葉を似せても
どんなに動作を似せても
結局彼にはなれないのだ。

「そんな君が、僕は嫌いじゃないよ……愛しさすら感じてしまうね」

くくっ、と喉を鳴らしながら彼は笑う。その笑いに、腹の奥底から不快感が湧き出る。

「君は、それほどまでに彼女が愛しいんだね。僕から、奪いたいほどに」
「……違う」

否定する言葉はあまりに弱く、力を持っていない。それでも、否定がしたかった。

「俺が欲しかったのは」
「否定するのかい? 僕から奪ったくせに」

否定を許さない、彼の声。当たり前の言葉に、体が、心が、震えた。

「まあ、いいよ。いずれ、僕が取り戻すのだからね」

そう言って彼は近づいてくる。頬に触れる手は異様に冷たく感じられた。それとも、自分の頬が異様に暑いのだろうか。鼓動が速く鳴り響く。

「君から、全てを」

声は冷たく、体の奥にまで届く。手が離れるまでの間、呼吸が出来なかったように思えた。

「君は僕の欠片などではない。君と僕は、全く別のものだからね。どんなに、似せようとしても」

それだけ言い残して、彼は闇の中に消えた。
彼の言うことは、正しい。いくら自分が本物になることを求めても、望んでも、本物になることは不可能なのだ。

「それでも……」

「それでも俺は……!」






誰と誰かは言わなくてもわかるだろう…?
私の全力のjlniはここまでだ…orz
ってかjlniですらない…だと…?!
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