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2025年05月13日
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鬱展開の話
2011年08月20日
見間違えるはずもなかった。
その人は間違いなく、俺が憧れていたあの人だった。
「これが、貴方の望みでしょう? 彼を、元に戻してほしい、という、貴方の」
くすり、と笑う禁忌の魔女。この女が、こんなことに
――違う
この事態を引き起こしたのは
「俺、が」
口に出して、一気に体中の熱が引いた。
違う、俺が望んだものは、こんなものじゃ、
「さあ、最悪の魔導士。貴方の望むままに、全てを壊しなさい!」
大げさに手を挙げて禁忌の魔女は叫ぶ。
そして、魔女の後ろに立つ男はゆっくりと前に手を伸ばした。瞬間、見慣れたあの黒いロッドが現れた。
「全てを、壊す」
久しぶりに聞いた低いその声は、ずっと聞きたいと思っていたその声は、悪意と憎しみに包まれた禍々しい声になっていた。
「どう……して」
砕けた封印石を踏み、彼は一歩ずつ歩み出す。ぱりぱりと、重い空気には不釣り合いな、軽く乾いた音が、近づく。
目覚めたばかりの虚ろな目は、何も映さない。
持っていたロッドはいつの間にか形を変え、鎌となっていた。
「どうしてですか!」
叫ぶ自分の声が、震えていた。
ずっと会いたかったあの人は、
一番会いたくなかった姿で俺の前に現れた。
俺の、望みのせいで
鬱展開☆
禁忌の魔女と書いてネクロマンサーと読む、とか。
きっと本編では書けない話です。本編進めろよ私!(笑)
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