アンダー、グラウンド

「先輩」
「何だ」
「これ、渋滞ですか？」

渋滞に巻き込まれて早三時間。進んだ距離はせいぜい10メートルと言ったところか。しかも運悪く、前方後方、さらには左右までもトラックに囲まれてしまっている。

「事故、でもなさそうだな」
「なんですかねぇ」
「……全く」

ため息を吐いて、ハンドルの上に顎を乗せる。そんな姿を見て、助手席の方がくすくすと笑う。

「……何が可笑しいんだ？」
「だって私、渋滞なんて初めてで」
「え？」
「ほら、私、基本わかるから」

にっと笑う助手席の彼女を見て、ああ、と運転手は納得したように頷いた。

「じゃあ、こうなることも」
「わかるはずないじゃないですか」

即答されて、彼は驚いた。

「私は先輩のことに関しては全然わかんないんです」
「……はあ」
「しかし、こんな渋滞に巻き込まれるなんて……先輩ってかなり不運ですよね」

からかうように彼女が言うと、運転手の彼は大きく息を吐いた。













ありえない三年後パロ(笑)
とりあえず渋滞のくだりは実体験をもとに。あの渋滞はマジで泣けた。