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2025年05月13日
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神のいないこの世界

2009年02月05日
基本的に『創作』では創作の話というか、考え中のネタとかの話。
小ネタは携帯からです。変な文章でも気にしないでね、とか言ってみる。
あと、創作サイトで書いたもののボツネタっていうか考え中ネタっていうか。
基本的に途中ばーっか。



パソコンの中にあった未完成の話、とか。(中途半端)
「先輩、私のこと嫌いなんですよね」
 突然、目の前の三つ編み眼鏡少女にそういわれたセイド・フィリウスは呆然とした。先輩、と呼ばれているのは自分自身で私、というのは彼女自身のことである。つまり、セイドが彼女を嫌っている、彼女はそう言った。
 彼女の名はローラ・アイル。セイドとは先輩と後輩の関係に当たる。彼女はいつもセイドが見る無表情でじっとセイドを見つめていた。それから少し下を見て「そうですよね」と零した。セイドは全く理解出来ないでいた。
「ちょっとまて、ローラ。何で、俺がお前のことを嫌いって話になっている?」
「わざわざ私を、こんな人が通らないような場所にこっそりと呼び出して……先輩、私が邪魔なんですよね」
 ローラの声は少しだけ悲しそうな色を含んでいた。セイドが否定の言葉を出そうとしたが、ローラが先に口を開いた。
「先輩の担当されているチームの中で、一番できが悪いのは私です。それに、こんな性格だから、嫌われるのはわかっています」
「いや、できが悪いとか、そんなこと……」
「事実、周りにできている事が私はできていません。先輩にも、ご迷惑をかけています」
 すっと目を細めて、ローラは自分の足元を見てセイドと目を合わせようとしない。セイドは言葉が出せずにただ中途半端に手を伸ばしただけだった。
「チームからの、除外宣告、ですよね」
 ローラが俯いたままそう言う。それからゆっくりと顔を上げて、ローラは無表情でセイドを見つめる。
「今まで、ありがとうございました」
 深く礼をして、ローラはその場を駆け足で去った。あ、とセイドが呼び止めた後には既にローラの姿はなかった。
 本当は告白するつもりだったのに、そんなセイドの呟きは空しい風と共に吹かれた。

 セイドは聖リオレンス学園、『ベスト』・レイザーズチームに所属している。『ベスト』クラスは自分たちより格下の『リボン』クラスを指導しなければならない。セイドもまた、ローラたち『リボン』・ウィスボルスチームを指導していた。そして、彼らは力をつけて、『ベスト』クラスへと昇格してゆく。そしてまた、新たに来る『リボン』・クラスを指導……というループを繰り返す。
 彼らが指導し、されるのは魔法についてである。リオレンス学園では魔術について学び、社会で生かせるようにするのだ。世界は魔術によって動かされ、魔術がなければ生活できなくなっていた。科学が発達していないこの世界では、魔術が全てを支配しているのだ。

 さて、セイドといえば現在ぼんやりと演習する『リボン』クラスの生徒たちを見つめている。先日、ローラに「嫌われている」と勘違いされたことで、彼は気力を失っていた。ここ数日は、『リボン』クラスの指導もないため、自分たちの学習に集中できていた。しかし、セイドの頭の中にはローラの言葉が突き刺さっている。
「死にそうじゃないの、セイド」
「……ユナ」
 そんな落ち込んでいるセイドのそばにやってきたのは同じチームに所属する、ユナ・ルバリスである。楽しそうに笑いながらセイドの頬を人差し指でつついた。
「もしかして、ウィスチームの指導失敗しちゃったとか? やめてよー、あたしの責任にもなるんだから」
「別にそんなんじゃないし……」
 深いため息をつくセイドを見て、笑っていたユナも少し深刻な顔をした。ただ事でないことを理解したようだ。
「じゃあ後輩にバカにされたとか?」
「そうじゃない」
「あ、失恋?」
 沈黙。そしてユナはぷっ、と笑いを吹いた。
「マジで?! うっわー、セイドだっさーい!」
「うるさい! こっちは真剣なんだよ!」
「なら、なおさら面白いわよ! あのセイドが失恋ねえ……面白い話じゃないの」
 おなかを抱えて笑うユナをセイドは苛立ちを含んだ瞳で睨む。しかし、失恋は事実なのですぐに悲しげな表情に戻った。
「もしかして、あの子? ウィスチームの……イリス?」
「いや、違う」
 セイドが指導するウィスボルスチームのイリス・ナロードは『リボン』クラスでも優秀な成績を収めている。先輩として、セイドはイリスを誇りに思っているが、恋愛対象としてみたことは一度もない。
「んじゃ、ローラね。セイドってあんな子がタイプなわけ? 意外ねえ」
「意外ってなんだ? お前、どんな目で俺を見てるんだ」
 ユナは「まあまあ」と言って笑う。そしてユナはセイドの額を人差し指でつん、と叩いた。
「ま、振られたならあたしの所に来なさい! いつでも相手してあげるから」
 それだけ言い残して、ユナはどこかへ行ってしまった。
「振られた以前に、勘違いされてるんだけど……」
 



テーマ:目指せエロゲー!
……制服のデザインとか本気だったんだ、本当なんだ。
続きが思いついたら書きたい。
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